ホーリー・モーターズ

2013/05/04(Sat) 22:30
movies

レオス・カラックスの新作「ホーリー・モーターズ」を見た。久しぶりのスクリーン、久しぶりのカラックス!
主人公オスカーの『アポ』が息つく間もなく次から次へと繰り出される。銀行家、物乞いの老婆、モーションキャプチャーのスペシャリスト、怪人メルド、娘を迎えにいく父親、殺人者、リムジンの中で準備をする彼の顔には疲労の影が見えるがひとたび『アポ』につけば活き活きと、アグレッシブに、怪しく役割をこなす。時には残酷に、時にはユーモラスに、美しく。
どの彼が本当の彼なのか、と考える必要は全く無い。どれも彼なのだ。
嘘をついた『娘』に彼は言う「お前の罰は、お前として生きることだ」お前は自分としてしか生きられない。しかしそれは罰なのか?終わりの無いアポイントメントの連続を生きる彼は、娘よりも幸せなのか?
と、辛気くさく書いてみたが、見終わった瞬間私は幸福感に包まれていた。なんて楽しい映画なのだろう!なんて瑞々しいのだろう!
作品の至る所に美がちりばめられているが気取っていない、やり過ぎない。引くべきタイミングで転換する。ものすごくウェルメイドな演出だと思う。
これぞ映画。映画を見る楽しみを十二分に味わえる傑作だ。胸がまだ躍っているよ。

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