プリピャチ

2012/05/21(Mon) 15:53
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チェルノブイリ原発事故の12年後、発電所の隣町プリピャチの様子と人々を綴ったドキュメンタリー。

一度は町を離れたものの、生まれ育った町に戻りたい最後の日までそこで暮らしたいと家へ戻ってきた老夫婦。
爆発しなかった3号機稼働の仕事につく男性。
発電所の研究所で健康管理の仕事を続ける女性。
避難したかったのにできなかった不遇を嘆く女性。
町の入口にある検問所や、放射能に汚染された車両の保管場で働く男性。
放射能による水質汚染状況を調べる研究員。
情報不足で八方ふさがりのなか住民を診ざるをえない女医。
彼らは「放射能は怖くない」と言うけれど、本当は怖いのだと思う。
でも、本能的に苦悩の対象をずらして、異相化させて恐怖を紛らわせているのだと思う。人はそうやって生き延びていくのだ。

ゴーストタウンと化した町-そこそこ立派な町である-に雪が降り積もる。普通なら雪遊びに興じる子供達の姿があちこちに見えるはずなのに、その雪面には足跡一つ見えない。
研究所から元の自宅まで案内する女性の歩みは力強く、撮影者たちが置いて行かれそうな勢いだ。でも自宅だったアパートに着きその惨状を目にした彼女は涙目になり言葉を発することができない。

画面を何度となく横切る猫たち、ああいずこも同じなのだ。

淡々とした白黒の画面はただ深刻なわけではなく、明るく、軽やかですらある。が、最後にはずっしりとこたえる。あとで効いてくる作品だ。
昨日見てがっかりした某アメリカ映画(日本人の大好きなハワイが舞台のアレである)より10倍は見る価値がある、本当に。

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