キザで無様で。

2012/05/17(Thu) 13:19
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「ドライヴ」
昼間の仕事は自動車修理工、あるいはカー・チェイスや車横転のスタントマン。「事故って何かあっても貴社を訴えません」にサインし、ゴムマスクをかぶりハンドルを握る。
そして夜は強盗相手のドライバー。外で5分待つ、5分以内に出てくればあとは俺が安全な場所まで送り届けてやろう。どんな狼藉を働いたとしても彼の車に乗りさえすれば大丈夫、悪人たちは安心して眠ることができる。
男の部屋(常に仮住まいのような空っぽの部屋)の隣には、可憐な母親と黒い瞳の少年が住んでいる。挨拶と荷物運びまでの付き合いが、徐々に広がる。ちょっとお茶でも、ちょっと車で出掛けようか。まるで本当の父親・恋人のように、男は彼女らの空間にしっくりと馴染んでしまう。勿論それは、不幸の始まりでもあった。

古典的な話ではある。
非人間的な・超人的な、しかし道義を計る正確なものさしはしっかと持つ男主人公が、寂しげではかなげな母子とのふれあいによって、彼のような人間にとっては持たずにいたほうが生きやすかったであろう人間性を取り戻してしまう。母子にはトラブルメーカー的な夫・父親がいて、当然絶体絶命のピンチに陥る。見てみぬふりをすればいいのに、男は助ける道を選んでしまう。
彼は約束を絶対に守る。5分待つと言ったら待つ。スタントを成功させるといったら成功させる。助けるといったら助けるのだ。死んでも約束は守る。そして母子を助け、彼は去っていく。

ライアン・ゴズリングが猛烈にかっこいい。
顔は甘いのだが、ロングでリーンなスタイルが魅せる。何をしてもかっこいい。(と、私は彼にいかれている。)
無駄口はきかずに、躊躇せず、果断に行動する。こんな男いないに決まってる、だからいいのだが。
その彼のクールさをひきたてるのが、計算尽くしか其の逆かはさておき、人々の無様な姿だ。笑っちゃうくらいあっけなく、みっともなく敵や味方が死んでいく。強盗に加わるビッチな女(マッドメンのジョーン、あんなに若くて足が細いのだな)が殺される瞬間私は声をたてて笑ってしまった。不謹慎だが笑うしかない、そんなに無駄遣いしていいのかと。銃撃や格闘シーンをかっこよく創るのはいくらでもできる、それを敢えてしないのが面白い、潔い。
リズムが独特で一定ではない。統一されたゴズリングのリズムと周囲の破調的なそれとが創りだす全体の流れが、緊張感あふれていて良い。

とにかくゴズリングがクールでかっこいい。完璧にやられた。私のことも助けてよ、お願い。

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