音楽と人生。

2011/06/06(Mon) 15:59
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「マーラー 君に捧げるアダージョ」面白かった!おなかいっぱいである。

【映画「マーラー 君に捧げるアダージョ」 公式ガイドブック】クラシックジャーナル043
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私は作曲家の伝記的映画には余り興味が無い。曲の解釈には彼らの人となりも必要でしょと言われそうだけれど、だって作曲家の人生云々以前に曲自体があまりにも素晴らしいじゃない。映画を見るよりも作品を聴き込み、あるいは多少はまともに弾けるよう練習する方が先だ、なんである。
でもこのマーラー映画はシネマテークなのだから見なくては、と足を運んだ。そして正解だった。

大方の天才同様、マーラーは自己チューである。僕は天才君は秀才、才能は認めるけれど諦めて僕を支える方が君のためになると妻アルマにキャリアを諦めるよう勧める、というか強いる。それが妻の幸せであると信じている。
天才はどうして一人でやっていけないのかなあ、自分のことは自分ですればいいのに、楽譜の清書くらい自分でやれよ、と凡人は思ったりする。ま、そんなことはどーでもいい。
彼らは最初のうちは幸せだった。子供が生まれ、マーラーのキャリアも順調で、それがずっと続けばよかった。勿論そうはいかない。愛娘の急死、歌劇場からの解雇-時代よりもやや先を行ってしまったが故か-と不幸が続き、アルマは静養先でグロピウスと恋仲になる。

映画はマーラーがフロイトの元を訪れ、カウンセリングを受けるという形を取る。そのセッションの過程でマーラーが過去を振り返っていく。また、その振り返りのシーンでは、マーラーとアルマの周囲の人々-アルマの母、アルマの取り巻きたち、マーラーの妹等がインタビューを受けて答える形の映像が差し挟まれていく。そのフェイクさかげんが面白くて、見る側を飽きさせない。
もちろん俳優陣の力が大きい!主役から脇役まで皆が豊か、特にアルマの人が繊細さと奔放さの入り交じった複雑な魅力を十二分に表現。
音楽はサロネン指揮のスウェーデン放送交響楽団。ゆたか~なマーラーの響きが必要な箇所で正しく鳴っている。ほれほれ盛り上げるぞ~とはならない。そこはさすがパーシー・アドロン(『バグダッド・カフェ』)、音楽をわかってらっしゃる。

とにかく盛りだくさん、でも過剰ではない。情に流されすぎず乾いているのが良い。マーラーに全く興味が無いと面白くないかもしれないけれど、「なんやこの勝手で偉そうなおっちゃんは」とムカつきながら見るのもこれまた一興かも。
来週には『サロネン・コンダクツ・アダージョ』の上映もある、楽しみは尽きない。

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