悪くはないがイマイチのれない。

2010/12/14(Tue) 22:13
movies

瀬々敬久監督の「ヘヴンズストーリー」を見た。

トモキは妻子を殺された。犯人は犯行当時少年だったためトモキの望む死刑判決にはならなかった。記者会見で「法律が許しても僕が許さない。この手で殺してやります」と吐き出すトモキ、テレビに映った彼の姿を魔法にかかったような眼で見つめる少女サト。彼女は両親と姉を殺された、犯人は犯行後自殺。わたしは復讐できないけれどあの人はしてくれるんだ、トモキの復讐を心の支えにしてサトは地獄のような成長の日々を生き延びる。
カイジマは警官だが副業として『復讐代行します』の看板をこっそり掲げていた。依頼に応じて東奔西走、淡々と人を殺していた。理由は関係ない、依頼通り仕事をこなすだけである。 トモキの妻子を殺したミツオの「これから生まれてくる人にも僕のことを覚えていてほしい」という言葉に心を動かされた人形作家の恭子(山崎ハコ!)は、ミツオと文通を始め彼を養子にしたいと申し出る。そしてミツオは早期釈放され恭子との生活が始まるが、実は彼女は若年性認知症にかかっていた。ミツオは献身的に彼女を介護する。(この恭子のくだりは興味深かった。彼女は『誰かに自分のことを覚えていてほしい』がためにミツオを巻き込むのである。もの凄い執念というかエゴだと感じた。たくさんの作品(人形)が残り、それらを通して彼女を懐かしむ人々がいるではないか。一般人のようにただ消え去るわけではないのに、近い将来ミツオの存在も認識できなくなるのに、覚えていてと彼に強いるのか。)
人生から転落すれすれの荒れた生活をおくっていたトモキもいつしか立ち直り、新しい妻子との穏やかな生活をおくっていた。トモキ、ミツオそれぞれの人生はクロスすることなく、そのまま平和に過ぎていくかと思われた。しかしサトがそれを許さない。過去をなかったことにして幸せになるなんて許せない、私の代わりに復讐してくれるはずだったのに。犯した罪が、壊した家族への贖罪が、ちょっと服役してちょっと病人を世話したからってちゃらになるなんて間違ってる。
サトはトモキにミツオの今を知らせる。ああなぜ教えてしまうのだろう、と私はうなだれるがサトが生きていくためにはそうするしかないのだ。そしてトモキの心の奥底にしまい込まれていた思い-復讐の念が甦ってしまう。手にしたはずの幸せが、こぼれ落ちてしまう。
一方カイジマも少しずつ転落していた。副業は彼自身だけでなく息子の心をも蝕む。彼らもまたサトとトモキの渦に巻き込まれていくのだった。
別々に紡がれていた糸が一本の太い糸に撚り合わされていく。美しく、おぞましく、哀しい糸だ。

4時間38分、決して退屈はしないし、うまーく作られていてわざとらしさが無い。人物の関係付けが自然。だが、どうしても入りきれないのよね。なぜだろう。HungerやCriminal Justiceを見た時の衝撃が無い。取り憑かれたように書きたくならない。寓意的な感じがするのがバツなんだろうか。1年に1本しか邦画を見ないからだろうか。

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