TheWire/ザ・ワイヤーS5#58 Clarifications

2010/11/01(Mon) 12:37
The Wire

とうとう彼が退場してしまう。しかしそれは、物語が最後に近づいているからというよりは、彼の人生の当然の帰結なのだろう。誰の派にも属さず、仁義を重んじ独特の倫理観を持つ彼は、新しい人々にとっては目障りな存在でしかない。彼の力-威光-の及ばない若者から見れば、なんであんなオッサンを怖がるんだか、である。
強くてでも不器用で、時々ファニーで時々真面目な面白い男だった、さよならオマー。


Wire: & All the Pieces Matter - Five Years
Various Artists
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市長と警察幹部の前で、ジミーが事件のブリーフィング。白々しいがリアルで効果的、自分の要求-カーヴァー、監視車等-を巧く織り込んでいる。そしてジミーは望み通りのものを手に入れる。
ホームレス事件の捜査ではない捜査?と疑わしい顔のカーヴだが、マーロ逮捕のためにレスターに協力するのは本意ではあるので参加を決める。金と車がもらえて捜査できるならなんでもいいさと部下たちも嬉しそう。

新聞社。ガスを始めベテラン記者たちはスコットの記事にはうんざりだが、世間の耳目を集めるスターを会社が外すわけがない。それにもうすぐピュリッツァー賞の時期だ。
「ホームレス事件ねぇ、どこかうさんくさいな」と誰もが思っていたが、警察が認めているし件のホームレス男性は行方不明のまま。
そこへ意外な訪問者がやってくる。スコットが記事にした帰還兵のホームレスが「あの記事は嘘っぱちだ」と猛烈に抗議。もちろんスコットは認めない、聞いたとおりに書いたまでだと言う。ガスは軍や当時の関係者に問い合わせて事実調査をし、こちらが間違っていたのなら訂正記事を出そうと言う。スコットは大不満だが、ガスはホームレスの言い分を多分信じている。スコットの創作癖がまた出たのだろう。
ホームレス取材の記事はなかなかの出来だとガスはフレッチャーを褒める。彼は「バブルスのことを書きたいのだがホームレスじゃないしどう書けばいいのか」とガスに相談。「彼の名前は?」レジナルズ・カズンズ、フレッチャーは即答する。短い取材の間にバブルスの住まいやなりわいもちゃんと押さえている。それが記者の仕事なのだ。ガスは、ホームレス取材はもういいから、バブルスについて2-3週間取材してみろと許可。

クリス、スヌープ、マイケルはオマーの存在に苛立っているが、どう出るか決めかねている。
オマーは堂々と通りを歩く、足をひきずりながら。売人たちを警察に密告し、売り物のヤクを奪い、「マーロ、出てこい、この腰抜けが」と悪態をつく。まるで無防備な彼、撃ってくださいと言わんばかりの彼。今までは誰も手を出さなかったが、とうとうその均衡が破れた。小さな少年が大きな銃をオマーに向ける。全く気付かない彼はあっさりと崩れ折れる。
現場に呼ばれたバンクは、信じられない面持ち。オマーがやられるなんて。彼はオマーの残したメモを手にとり、じっと見つめる。

ジミーとキーマは、依頼していた犯人のプロファイリングの報告を聞くためにFBIヘ。このプロファイリングが大変正確で、犯人、つまりでっちあげの張本人ジミーの人となりを的確に表現していたので私は爆笑してしまった。
ジミーが帰宅すると、家には誰もいない。居間のテーブルにはビーディのメッセージがあった。これがあなたの未来なのかも、いつ戻るかはわからない、と。

ジミーの力を借りるのはイヤだったが背に腹は変えられないと、バンクは鑑識に割込調査を依頼。いまやジミーのサインがあればなんでも最優先なのだ。そして念願の証拠を得る、クリスのDNAが出たのだ。これでやつを引っ張れる。
『ジミー特別会計』を快く思う人間ばかりではない。出張を認めてくれないなら、密告してもいいんだぞと脅す同僚が登場。この特別会計はいつまでも続けられない、早急に結果を出して切り上げなくてはならない。

シドナーは警官たちを4組に分け、携帯の画像が何を意味しているのか四方から追跡。
時計の画像の示す時刻と車の動きと人の場所及び行動を丹念に辛抱強く追い、記録していく。対象は4つではない、もう一人からんでいるようだ。
ジミーのでっちあげを知らずに一生懸命取り組むキーマ。彼女を巻き込みたくないジミーはとうとう真相を告げる、キーマは彼のやり方を承認できない。

トミーは何が何でも知事になりたい。頭にあるのはそれだけ。知事になれるならデイビスの力だって利用する。幸か不幸か、彼は無罪になったことだし。市庁舎前で熱弁をふるうトミー。今、皆さんの生活を守れるのはこの私だけ。大盛り上がりの聴衆だが、彼らのうちの何人に選挙権があるのだろうか。トミーが利用しているホームレス連続殺人事件が、全くの嘘だとわかったらどうなるのか。
スコットはその集会を取材して記事にする。記事冒頭にまたまた『匿名のホームレス女性』が登場。ガスはその部分の削除を決め、スコットは激怒。俺の作り話だと思ってるんだな?ガスは「ルールに従うまでだ」と答えるのみ、しかし目は「そうだ」と言っている。
ガスはスコットを買っている編集長と対決。『出所不明の情報は載せない』というルールを守るのか破るのか、あんたが決めろ。俺の仕事は終わったと編集室を出て行くガス。

ジミーはビーディに真実を話す。連続殺人は俺のでっちあげだ、と。呆れ怒るビーディ。

シドナーがとうとう画像の解読に成功する。ここからが肝心なのだ。

ビーディへ真情を吐露する、少し縮こまって居心地の悪そうな姿こそが、今のジミーの真の状況を表しているのだと思う。事件を打ち切られた腹いせ、最初はただの思いつきだったのかもしれない。熱中しているうちに興が乗り過ぎ、止まらなくなり、とうとう本物の事件と認められてしまった。予算がつき、皆に分け与え感謝されるが、尻には火がついている。自分の手に余る状況になってしまったこともわかっている。線引きをどのタイミングでどう行うのか、わからない。そう認めてしまうのが怖い。ビーディは彼を許すのか、許さないような気がする。

デューキィは自分に出来る仕事を探す。ふらっと入ったスニーカーショップでは、プートが働いていた。死ぬ前にストリートから引退できて彼は幸せだ。
金物引き取り屋の手伝いを見つけ足取りも軽く笑顔のデューキィ、よかったな。

レスターとデイビスの対決は、マーロの事件に絡んでいくのだろうか。
残り2話、心して鑑賞しようと思う。

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2010/11/03 11:19 [ 編集]
カクテキ MAILURL

FBIのプロファイリング、正確でしたね(笑)。
聞きながらどんどんまずい感じになるマクノルティの表情、笑いましたよ。
キーマとビーディにでっち上げの告白をしたら、二人ともに閉ざされてしまいましたね。
それでも今話したことを評価してあげたい気もしますけど、無理でしょうか。
もう、この回はオマーショックですよ。
残り2話しかないの?という気持ちもありながら、彼なしであと2話あるなんてことがちょっと信じられないですよ。

2010/11/03 12:43 [ 編集]
atsumi MAILURL

クワンティコってことは、ホッチやリード君がいるところ?(爆)
優秀ですね~さすが~。ギョエテとは俺のことかとゲーテ云い、を意味なく思い出してました。
キーマもビーディも当然の反応。ジミーは家族だけではダメなんですね、結局前の繰り返し。
キーマはキーマですからね、言っちゃあダメなんだってばさ。
ノリスとか優しいよねバンクのことちゃんとわかってて、呼んであげる。ジミーは同僚をバカにしてるところがあるけど、みんな血の通った、仕事熱心な刑事なんだよね~。
昨日のエピ、見てしまったので私はあと1話です(涙)

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