引きずるなというのが無理な話で。

2007/01/26(Fri) 22:57
movies

「ディパーテッド」見てきました。150分、長くない?
オリジナルを忘れて見るのは絶対に無理、だってオリジナルのまま使われてる細部があちこちに散見されるし、展開もそのまま。骨格がしっかり残ってるんです。悪口は言いたくないけど、どうしても比較しながら見てしまいます。

オリジナルにはあった様々な『闇』がこのリメイク版には欠けている。アンディ・ラウとトニー・レオンの間に広がる闇、組織と警察の間の闇、個々人の抱える闇、例えばボス(エリック・ツァンの味わいがこれまた深みを与えているのだよなぁ)だって独りで深い闇の中にいる。それが無いから、のっぺりした印象をどうしても受けてしまう。どんなに激しい銃撃シーンがあっても、全体に平板。
キャスティングは充実しているけれど、国民性の違いか、ハリウッド版は全員がタフガイ、均質化している。誰一人としてだらしなくないし、弱くない。ディカプリオ君は結構苦悩してますけど、マット・デイモン君が葛藤したり逡巡したりする部分がもう少しあってもよかったのでは。『己のモラルとどう折り合いをつけるか、自分にとっての正義とは何か』について彼が下した結論が終盤の見どころの一つだけど、そこへ至るまでの描写が足りないように思います。これも、オリジナルをひきずって見ているからだとは思いますが。
ビリー(ディカプリオ)とコリン(デイモン)の間にはギャップがあるように見えて、実はとても近いところにいる。いっしょにはなれないけれど、その近しさを理解する瞬間が、オリジナルにはあったと思う。それはトニー・レオンの不思議な身体感覚ーあやふやな言い方しか出来ないけれどーが大きく作用していて、アンディ・ラウとの間にまさしく化学変化が起きる。でもディカプリオ君とデイモン君の間には、それほど火花が散らなかったように思う。

マーク・ウォルバーグの存在感には感心した、次がディカプリオ。ハワード・ショアのオリジナルスコアはいったいどれだ?既存曲がたくさん使われるけれど、「カジノ」ほどのフィット感はなかった。
オリジナルを見てなければ、そこそこ楽しめるのだろうなぁ、平均点はいってるのでしょう。ただ私にとっては、『サプライズ』の感じられない映画でした。

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the girl in the cafe

2007/01/22(Mon) 10:32
その他ドラマ

大臣付きの官僚ローレンス(ビル・ナイ)は寝食忘れて働く毎日。仕事以外では誰とも話さない、誰かと触れ合うこともない。偶然カフェで出会ったジーナ(ケリー・マクドナルド)と不思議にも会話が弾み、突然彼の中で化学変化が起きる。食事の約束をとりつけ、夜遅くに呼び出したり、レイキャビクでのG8サミットにいっしょに来ないかと誘う!ジーナは不思議な女性で、イヤな顔もせず、ローレンスの誘いを受け、レイキャビクに同行する。
サミットの議題はアフリカ問題。各国のメンツや思惑等の『大人の理由』によって、最後は大いなる妥協的結論へと至るのが世の常であるが、ジーナはそれが許せない。彼女のルール破りな発言のせいでローレンスの立場は最悪のものになり、ジーナはロンドンへと帰国させられる。
しかしそのナイーブな彼女の存在が、G8サミットにも化学変化を起こしていた。

ストーリーはさておき、見どころはビル・ナイの初々しさ。カフェで席を探している時の仕草、初対面の若い女性ともじもじ話す彼、突然勇気が出て「今度ちゃんとしたイタリア料理でも?」と誘う時の彼、はねるような歩き方、挙げ出したらきりがない。
基本的にリチャード・カーティスの脚本は甘過ぎると思う、終盤の展開は簡単に予想できるし。でもビル・ナイとケリー・マクドナルドが魅力的だから、それに免じて許してあげよう(?!)。

2005 BBC製作 2006エミー賞助演女優賞(ミニシリーズ)他3部門授賞

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ちょっとおでかけ。

2007/01/15(Mon) 23:01
日々のつれづれ

ほんの短い間ですが、ロンドンへ行ってきました。全然寒くなくて、ダウンコートなんてやめときゃよかった…。アクティブで旅上手なchocoさんと違って、私は超めんどくさがりやなので、美術館美術館美術館~最後に某スタジアムで蹴球見ておしまい。ホテルではBBCをせっせと見てました。特筆すべきことはあまりないのですが、雑感をあれこれ。
1.何度でも行きたい美術館、二度と行かないであろう美術館
ナショナル・ギャラリーとテイト・ブリテンが前者、後者はモダン・テイト。ピカソやエルンスト等の傑作・代表作が大変無造作に並べてあるところが面白いと言えば面白いけど、モダン・アートはコンセプト頼みの作品も多く、はいはいおっしゃりたいことごもっとも、わかったからもういいよ、見続けていると疲れてきます。でも若い人たちはモダンの方がいいんだろうな~テイトががらがらなのにモダンのほうはかなり混雑してた。なんだかなぁ、よくわからん。

2.NCIS
着いた日にDHがやってたのですが気付かず寝てしまった!残念無念を取り返すべく、翌日から夜はじっとTVに集中(ったく、何やってるんだ、私は)。NCISの新しそうなエピソードが放送されていたので、わーいと見たんだけど、がーん…な内容、そ、そんな…見なきゃよかったけど、見ちゃうわな。その後再放送のエピも2話ほど見ました。私、何しにロンドン行ったんだ?ドラマは他に「Judge John Deed」今ミスチャンでやってる「CI☆5」のドイルがすっかりいいおじさんになっていた。そりゃ30年もたてばしょうがないけど、男優さんてば、顔の幅がどーんと広くなるのですね。
あとはスポーツ関係の有名人が2組に分かれて競うクイズ番組とか、Top of the popsの総集編みたいなやつとか、ウケた。そしてMatch of the day(蹴球のハイライト番組)で締め。

3.機内の映画
新しい映画やるんですね!ウッディ・アレンの「Scoop」、エドワート・ノートン君がマジシャンに扮する「イリュージョニスト」が見られました。去年のJALなんて「電車男」ですよ?!見ないつもりだった「東京ドリフト」あまりのバカさかげんと、ルーカス・ブラックの詰め襟高校生姿がおかしくてつい見てしまった。だから頭痛になるんです。

ま、そんなとこで。今日は午前中に帰ってきたので、洗濯とたまった録画の消化を続けております。トミー~~(涙)

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「明日へのチケット」

2007/01/09(Tue) 10:12
movies

1. もしあのとき、思いを口にしていたら(エルマンノ・オルミ)
製薬会社顧問の教授の夢物語。親身になって世話をやいてくれた、会社の女性が忘れられない。列車に乗った後、ああしていたら、こう言っていたら、と夢想にふける。楽しく妖しいひととき。

2. 俺は何をしているんだ?(アッバス・キアロスタミ)
太った中年女性と、荷物持ちのような若者の一見不思議なペア。若者は兵役の義務か何かで女性の世話をしているらしい。わがまま傲慢身勝手な彼女に、いつまで彼は耐えているのか。

3. 家族の絆と一枚のチケット(ケン・ローチ)
セルティックのユニフォームを着た、楽しそうな3人の若者。彼等はチャンピオンズ・リーグのローマvsセルティック戦を見るために、スコットランドからローマまで列車で旅しているのであった。食堂車でベッカム(マンチェスターUnited時代の7番)を背中にしたアルバニアの少年と出会った後、一人の乗車チケットが無くなる。落としたのか?あの少年に盗られたのか?少年の家族に詰め寄る若者たち。このままでは鉄道警察に引き渡されて、ローマ戦が見られなくなってしまう!

3人の監督のオムニバス映画です。チケットをめぐる三者三様の物語、私はやっぱり3番目が一番楽しかった!彼等がヘンリク・ラーションのチャントを歌い出すシーンには、吹き出しそうになるのを必死でこらえてました。アルバニアの少年に「お前英語うまいな」と言うのも可笑しい。
若者たちの英語も相当のもので、ばりばりになまってます。私はあの独特の抑揚やリズム感が結構好きです、何言ってるのかさっぱりわからないけど。
最後に鉄道警察に追われる若者たちを助けるのが、ローマ・サポというのも泣かせますね~敵味方同士とはいえ、サッカーを愛する身として、相手が官憲に追われていたら助けるのが男だぜ、みたいな。
三部通して登場する車掌が効いてます。粋な計らいをする一方、無賃乗車は絶対見逃さないという厳しい態度は維持。でもユーモラスな風貌で、優しく思いやりのある昔風の親切な車掌さん。
暖かいまなざしに満ちた優しい映画です。

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Law&Order SVU S1#1 Payback

2007/01/04(Thu) 20:47
FOX系

タクシー運転手の死体が発見される。全身には37箇所の刺し傷、性器を切り取られていた。性的関係のもつれ、怨恨か?
残されていた免許証は他人のもので、被害者はチェコ人の妻を持つステファンという男とわかる、子煩悩な優しい夫だったと悲しみに沈むその妻。
その後の捜査からステファンはセルビアの戦犯、民族浄化の司令官であったことが判明。大勢の女性が彼にレイプされ、なぶりものにされたというのに、ステファン・タンジックは無罪となり、このNYにやってきたのだった。被害女性はNYに5人いる、ステーブラーとベンソンは順番に彼女たちを訪ねていく。彼女たちの中に犯人はいるのだろうか?

SVUは、非常にシンプルなドラマで、冒頭に性的な要素の強い事件が起こり、SVUのメンバーたちがこつこつと捜査を続け、逮捕、複雑でつらく哀しくやりきれない事情が判明する、言ってしまえばそういうドラマです。ほとんど蛇足ですが、メンバー紹介を簡単にさせていただきます。

クリーガン警部:頑固一徹。熱い人間だが、情には流されない。部下たちを的確に把握していて、叱るときは叱り、守るべきときは守る。いい上司。
エリオット・ステーブラー(クリストファー・メローニ):妻子有り。非常に子供思い。子供の虐待事件が多いことに心を痛めていて、時として過剰反応することもなきにしもあらず。
オリビア・ベンソン(マリスカ・ハージティ):母親がレイプされた結果産まれた、という複雑な出自を持つ。
ジョン・マンチ(リチャード・ベルザー):言わずとしれたマンチ。ボルティモア署から異動してNYへ来た。諧謔的な物の云いが面白い。
ブライアン・キャシディ(ディーン・ウィンタース):マンチとコンビを組む。まだ青臭い部分多し。数話でなぜかあっけなく異動。
モニーク・ジェフリーズ:マンチの言葉をうまくさばいていく様が小気味良い。S1最後の面接のせいでS2の最初で異動。
彼等に加えて準レギュラー的に、地方検事や心理カウンセラー等が登場してきます。

取り扱われる事件が、一筋縄ではいかないものばかりで、見終わって気分爽快になるエピソードは滅多にありません。捜査のやり方は地道に足で稼ぐ昔ながらの刑事仕事、もちろんその影には鑑識の細かい分析がありますが、それは表には出てきません。あくまでも刑事たちが時には投げ出したくなったり、容疑者を殴りつけたくなるような衝動を抑えて、こつこつと捜査を続けていく様がとてもリアルです。

久しぶりにこのPaybackを見て、ベンソンがまだ未熟者ぽかったんだ、と面白かったです。この事件をうまく扱えないようなら、SVUには要らない、と警部にはっきり言われてしまう、一種の資格試験的なケースですね。ステーブラーがうまくリードして、ベンソンは試験に合格、この後2人の名コンビは8年続いて今も継続中ですが、日本では最後まで責任持って放映してくれるのかなー?よろしくお願いしますね、FOXさん!と、ここでお願いしてもしょうがないのですが。

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誰よりも1番素敵なのはオリーブだよ。

2007/01/03(Wed) 22:58
movies

「リトル・ミス・サンシャイン」
父リチャード(グレッグ・キニア)は『成功するための9段階理論』を熱く説いてまわるモチベーション・スピーカー。人間は勝ち組と負け組の二種類しかいない、勝ち組以外に生きる価値は無い!の人。でも肝心の本人は負け組。
母シェリル(トニ・コレット)はいいお母さん。ほらばかり吹いてるダンナでも、成功すると信じて励ます。家族みんなを心から愛して、家族をまとめていこうと奮闘中。
シェリルの兄フランク(スティーブ・カレル)自称アメリカ一のプルースト学者でゲイ。業績も恋人も取られて自殺未遂。シェリルが家に引き取り、同居することに。
グランパ(アラン・アーキン)破天荒な祖父。ヘロイン中毒が元で老人ホームを追い出されてリチャード一家と同居。孫娘のオリーブをとてもかわいがっている。
オリーブ(アビゲイル・ブレスリン)おなかがぽこりと出た幼児体型だけど、眼鏡を外すとキュートな瞳が印象的。ミスコンが大好きで、美少女コンテスト『リトル・ミス・サンシャイン』で優勝することが夢。
ドウェーン(ポール・ダノ)長男。空軍に入ってテストパイロットになることが目標。毎日の日課は肉体の鍛錬と、ニーチェの「ツァラストラはかく語りき」を読むこと。沈黙の誓いをたてているので、家族との会話はメモ帳による筆談。
この6人が、オリーブを『リトル・ミス・サンシャイン』へ参加させるために、アルバカーキからロサンゼルスまで、黄色いおんぼろミニバスを走らせる物語。
オリーブは優勝できるのか?父リチャードは負け組を脱出できるのか?フランクは立ち直れるのか?ドウェーンはいつ口を利く気になるのか?そしてグランパの人生は?

美少女ミスコンテストのシーンに出てきたコンテスタンツたち、オリーブ以外は全員ケバい化粧にグロテスクな衣装で、子供らしさのかけらもありません。媚びた仕草や笑顔が気持ち悪い。現実もあんな風なのでしょうか。オリーブはおなかが出ていて、手足がぱつぱつに張ってても、とてもキュート。グランパに振付けてもらったダンス(子供のダンスとしては、やや破廉恥なダンスです)を一生懸命踊ります、眉をひそめて会場から去る人々や「あの子を舞台から降ろして!」と慌てるコンテスト主催者を尻目に、家族はオリーブといっしょに踊り出します。フーバー一家が一つになる瞬間、と言うとベタな言い方ですが、感動します。嬉しくてたまらなくなる。

役者が全員いいのです。グレッグ・キニア、安っぽい成功講座の講師がぴったりすぎるほど!アラン・アーキン、テンションの高さは「キャッチ22」の頃と全然変わらない。長男役のポール・ダノ、メモの簡潔な言葉と出すタイミングが妙に的確でおかしい。不思議なティーネイジャーを好演。カレルも飛ばしてますね~、体の各パーツそれぞれがユニークな動きをする感じ。トニ・コレットは要所要所で締めてくれる、そしてアビゲイルには脱帽です。ダンスシーンじゃなくても彼等の体のリズムが感じられる、躍動感に満ちた映画です。
新年第一弾は大当たりでした。年末の締めくくり「上海の伯爵夫人」の負け(?)を、これで取り戻したという感じです。

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